2018年3月期の上場企業の純利益は35%増加、稼ぐ力高まる

上場企業の2018年3月期の決算がほぼ出揃いました。2018年5月19日の日本経済新聞朝刊の記事によると、「純利益は前の期比35%増の29兆3788億円と2年連続で過去最高を更新した。」としており、確実に稼ぐ力が高まってきていると言えます。

全体では電気や自動車といった製造業が利益の伸びに寄与した形となりました。また、非製造業でも人手不足による人材サービスや資源価格の高騰で商社の利益の伸びが目立ちました。

上場企業の稼ぐ力が確実に高まる

2018年3月期の決算では、日本国内の金融を除いた上場企業全体の売上高は557兆5127億円で前年と比べて7.9%増加経常利益は40兆8269億円で前年と比べて16.9%増加最終的に手元に残る純利益は29兆3788億円で前期に比べ35%増加となりました。

前期の純利益の伸び率は18%であり、今期は前期を上回る伸び率となりました。

背景としては、世界的な景気拡大による物やサービスの需要が伸びていることや、為替レートが対米ドルで1ドル114円から110円前後で推移するなど円安であり、製造業を中心とした輸出企業にとっては業績にプラス影響を与えたこともあります。

更に、近年では人手不足などから人材の需要が増えてことで人材サービスの利益の伸びが大きかったこと、資源価格の上昇で商社の利益の伸びも目立ちました。

決算におけるそれぞれの利益に意味について知りたい方は以下の記事を合わせてご覧ください。

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製造業では自動車や電気が利益の伸びに寄与

今期の純利益の伸びに貢献したのは、自動車や電気などの製造業で、独自の高い技術力を武器に差別化した商品の開発、人手不足に伴う工場向けのロボットであるファクトリーオートメーション、データ需要の高まりによる半導体需要の増加が寄与した形となっています。

自動車業界全体での純利益は5兆6373億円で前年度に比べ41%増加電気機器は3兆9862億円で前年度に比べ2.8倍に増えています。

自動車で注目が高かったのは、トヨタ自動車(証券コード:7203)で、世界の景気拡大に伴い、新興国や欧州での自動車販売が伸びたことにより、の2018年3月期の連結業績は、売上高が29兆3795億円(前年同期比6.5%増加)、営業利益が2兆3998億円(前年同期比20.3%増加)、純利益が2兆4939億円(前年同期比36.2%増加)となりました。

電気では、パナソニック(証券コード:6752)は、自動車向け電池や自動車向け機器、ファクトリーオートメーションなどの産業用向けの事業が牽引し、2018年3月期の連結業績は、売上高が7兆9821億円(前年同期比8.7%増加)、営業利益は3805億円(前年同期比37.5%増加)、純利益は2360億円(前年同期比58%増加)となりました。

非製造業では商社や人材サービスが利益の伸びに寄与

非製造業では、資源価格の上昇により恩恵を受けた商社や、人手不足による人材サービスの利益の伸びが目立ちました。

商社全体の純利益は2兆6747億円で前年に比べ29.4%増加サービス業全体では1兆5923億円と前年に比べ59.3%の伸びとなっています。

個別で特に目立ったのは三菱商事で、同社はコンビニエンスストアの株式会社ローソンを完全子会社化したことに加え、資源高の影響により、2018年3月期の売上高は7兆5674億円(前年同期比17.8%増加)、経常利益は8127億円(前年同期比35%増加)、純利益は5601億円(前年同期比27.2%増加)となりました。



今期は為替や原油高などの動向に注視

今期は、引き続き世界景気の拡大に期待できそうですが、米国のトランプ政権による経済への影響や地政学リスク、中東情勢の問題により、為替が対米ドルで一時円高に推移していることや、原油価格を始めとした資源価格の上昇による経済への影響が懸念されます。
ただ、日本企業が稼ぐ力を確実に身に着け収益力を向上させていけば、経済状況の一時的な低迷においても耐えうる財務体質を構築が可能で、その落ち込みは最小限に留められます。

投資先の企業の選定にあたっては、将来的な経済動向に加え、良好な財務体質が維持できる企業への投資が重要になりそうです。

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