米国発の貿易摩擦による株価と経済への影響とは?

トランプ大統領による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を実施することを明らかにしたことで、世界におて貿易摩擦の懸念が高まっています。それに伴って、経済への悪影響を懸念して多くの投資家が株式市場から資金を流出する動きが加速しており軒並み株価が下落しています。

今回は、貿易摩擦の発生により世界経済や株価にどのような影響が生じるのか解説しました。

 

貿易摩擦とは?

貿易摩擦とは、貿易相手国との輸出入において、特定の商品などが海外から輸入されたことで、国内で同商品を製造・生産している産業界の地位が低下してしまい、企業の倒産や失業が増えるなど、貿易相手国との競争力の差が広がることで経済への悪影響を及ぼし、両国との間に摩擦が生じることです。

自国で生産していた商品が、海外から輸入することによって価格は大幅に下がった場合、消費者は自然と価格が安い方を選ぶため、輸入品の売れ行きが高くなる一方、自国で生産した同商品の売れ行きが鈍くなり、自国内における産業の低下へと繋がります。

日本も過去に米国と激しい貿易摩擦が生じたことがあります。日本の電化製品や自動車が大量に米国へ輸入されたことで、米国内に日本製の電化製品や自動車が出回り、自国の商品の売れ行きが鈍くなりました。そのため、米国政府は日本政府に対して、日本の輸出木魚に対して自主規制の実施を求めた経緯があります。

貿易摩擦の発端は鉄鋼・アルミニウム輸入の追加関税

今回、世界に貿易摩擦の懸念が広がっている背景としては、米国のトランプ大統領が2018年3月に鉄鋼・アルミニウムの輸入に関して、最大25%の追加関税をかける措置を明らかにしたことがきっかけです。

トランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」を掲げ、自国産業の発展と雇用を増やすことを第一に考えています。そのため、安価な輸入品を減らすことで自国の産業の発展を優先したい事情があります。

また、米国の貿易赤字が続いていることも嫌気をさしており、追加関税を発動した要因としても考えられます。2018年2月6日付の日本経済新聞の記事によると、2017年度における米国の貿易赤字は7962億ドル(約86兆8千億円)としており、9年ぶりの高水準であると報じています。

対中国との貿易赤字拡大で貿易戦争が激化

今回の貿易摩擦において、対中国との貿易戦争が激化しています。先程の貿易赤字額7962億ドルの内、約半分の3752億ドルが対中国との取引を占めていることから、対中国との貿易赤字を削減するために、中国に対して、鉄鋼やアルミニウム、知的財産侵害への制裁措置を検討していると強硬姿勢を表明しています。

トランプ大統領としては、中国側は不公正な貿易慣行を是正する意思がないことに不満を持っていることもあり、今後は幅広い製品に対して追加関税がかけられる可能性もあります。

また、それに対して中国側も対抗措置を実施することを表明しており、農産物などの米産品に対して、同額に25%の追加関税をかける方針を明らかにしています。ただ、中国は米国からの輸入は1300億ドル程度と少ないことから質を重視した対抗措置を行うとしています。

企業業績や個人消費の低迷つながり世界経済に悪影響

米国を発端とした貿易摩擦ですが、鉄鋼・アルミニウムは自動車や航空機、電子部品など、あらゆる製品に使われていることから、追加関税が行われば、これらの原材料の入手が難しくなり、価格が高騰することで企業業績や個人消費の低迷に繋がる懸念があります。

また、更に今後追加関税の対象商品が広がることで、この影響が多岐に及び、企業業績や個人消費が低迷すると、世界経済にとって悪影響となります。

貿易摩擦を懸念して世界各国の株価も下落

2018年以降のNYダウ株価推移(筆者作成)

貿易摩擦に対する懸念から株式市場は敏感に反応しており、アジアを始め世界各国の株価が下落傾向になっています。

米国の株式指数NYダウは2018年6月21日の時点で8日連続して下落しており、11日の2万5322ドル31セントをピークに、21日の終値は2万4461ドル7セントで取引終了となっています。今年に入って株価が一番高かった2018年1月26日以来、約8%の下落となっています。

米国の標的となっている中国の株価は26日以来で約18%のマイナス、韓国が8%、トルコが21%、フィリピンが22%の下落幅を記録しています。

ただ、日本の株式市場においては、為替レートが対米ドルで109円から110円前後で推移するなど円安傾向に回復していることが下支えとなり、26日以来4.7%のマイナスにとどまっています。

近年ではトランプ大統領における、突発的な発言や発動に市場が振り回されており、今回の貿易摩擦の懸念から株式市場から資金が流出しており、相場観の方向性が見えない状況となっています。今後も引き続き、貿易摩擦が繰り広げられると不安定な株式相場は続いていくものと言えそうです。

(著者)吉川隆道

DMMが株取引サービス「DMM 株」をリリース!

DMMは株式売買サービス「DMM 株」を2018年4月4日からスタートしました。業界最水準の手数料設定の他、豊富な取引ツールで初心者から上級者まで納得できるサービスとなっています。

・現物取引の手数料は最低50円信用取引は80円均一の手数料設定!
・取引手数料に対して1%のポイント還元を実施!
・PCやスマホで取引できる高機能な取引ツールを用意!
・取引ツールは「かんたんモード」と「ノーマルモード」の2つを用意!
・DMM FXとの資金振替が可能!

DMM 株に口座開設

関連記事

米国が利上げすると何故株価は下がるのか?その理由を解説

ミニ株(単元未満株)のメリットとデメリットを徹底解説

東証が株式持ち合いにメス!企業統治指針を改定

株式投資を始めるための投資資金を確保する方法を解説

株式投資管理は「myTrade(マイトレード)」がおすすめ!アプリの特徴を解説

株式投資で成長企業を見つけるには、企業の決算情報やニュース、業界情報に着目