ロボアドを使って本格的に運用したい場合、初期投資額はいくらから始めるのが理想なのか気になります。今回はロボアドで運用する際の理想的な初期投資額を考えてみます。
ロボアドの初期投資額は10万円から始められる
現在ロボアドによる投資サービスを提供しているウェルスナビとTHEO、楽ラップでは、最低10万円から始められます。一方で、THEOとNTTドコモが提携して提供しているTHEO+docomoでは初期投資額1万円から始めることができます。
各サービスによって組み入れているETFもしくは投資信託の銘柄や組入数が異なっています。また、手数料形態も最大1%(年率、税別)となっていますが、THEOの場合は、運用残高に応じて、1%から0.5%(年率、税別)と段階的に手数料を引き下げる手数料形態を導入しています。
それぞれのサービスの特性を比較した上でサービスを選定することになります。各サービスの比較については、以下の記事でまとめていますので合わせてご覧いただければ幸いです。
リスク許容度が高く本格的に運用したいのであれば100万円以上が理想

ロボアドで運用する方は、これまで投資経験が無い方も多いため、少額から試してみたいと考える方も多いかと思いますが、これまで何かしらの投資経験があり、リスク許容度も高くある程度の資金をお持ちで、これから完全にロボアドにまかせて運用したいという場合の初期投資額は100万円以上が理想であると考えています。
もちろん、初期投資額はご自身の余裕資金の範囲であればいくらでも良いのですが、本格的に運用リターンを出したいというのであれば、ロボアドに限らず投資ではある程度のまとまった資金を運用することがリターンを大きく確保できるポイントであると考えています。
また、ロボアドは複数の資産に分散した投資を行いますが、後述していますが、少額で分散してもその効果は薄く、運用の効果が実感しづらい側面もあります。
ウェルスナビは、サービス開始当初は初期投資額は100万円からとしていましたが、その理由として前述同様にある程度のリターンを確保するためにはまとまった金額が必要になるとしていました。
少額での分散投資はあまり意味をなさない
余裕資金があまりなくリスクがこわいので分散投資を行うといっても、一つの卵が崩れても残りの卵は少ないため、あまり分散の効果はありません。例えば、10万円を2万円づつ5つに分散して、2つの銘柄がゼロになると手元はたったの6万円しか残りません。少額で分散しても手元に残る金額はわずかとなり分散の意味が薄れてしまいます。
逆に1,000万円を200万円づつ5つに分散していれば、1つがだめになっても、残りの保有資産額は一定以上確保できますので、分散効果ができます。
そのため、余裕資金が少なくリスクが許容できないのであれば、引き続き低金利の銀行預金に預けておくか、少しでも安全に利回りを確保したいと考えるのであれば、個人向け国債を購入して運用することをおすすめします。
https://investment.takamichiyoshikawa.jp/2018/03/07/j-bond/
初心者は最低初期投資額でリスク許容度を低く債券中心の運用
筆者が個人的には100万円程度ではじめるのが理想であると考えていますが、初心者でも100万円程度の余裕資金がありリスクの受け入れ姿勢もあるのであれば、100万円を投じることをおすすめするのは前述した通りです。
リスク許容度が高い場合は、株式への投資比率が高くなりますが、ロボアドは複数の資産に分散していることに加え、1つの運用銘柄でも複数の銘柄を更に組み入れているため、100万円が全て無くなる可能性は低いと言えます。
ただ、これまで投資の経験がなく、あまり投資についてよくわからないが、ロボアドを使ってでどうしても運用したいと考えている場合は、リスク許容度を中から低に設定して最低初期投資額から始めると良いと考えています。
初期投資額でリスク許容度を低く設定すると債券を中心に運用が行われます。運用状況を定期的に見直して、さらに利回りを増やしたいと考えれば途中でリスク許容度を高めにして株式の保有比率を高めることもできます。また、ロボアドでは定期的な積み立ても可能ですので、ある程度まとまった金額になった時点で運用を見直すこともできます。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。
ウェルスナビ
出典:ウェルスナビ公式サイト
ウェルスナビは初期投資額10万円から始められるロボアドサービスです。毎月1万円以上1円単位で積立投資もできますので余裕資金が少ない方でも気軽に資産形成が始められます。
約6問の質問に回答するだけでリスク許容度を判定し、それに合わせて自動運用を行いますので、特別な作業は不要になるほか、税金の繰り延べができる自動税金最適化機能(DeTAX)により無駄な税金の支払いが削減できるのも特徴です。
運用手数料も運用残高が3,000万円未満であれば年率1%、3,000万円超は年率0.5%(現金部分を除く、税別)で運用できます。
THEO+docomo
THEO+docomoは初期投資額1万円から始められるロボアドサービスで、運用後も毎月1万円以上1000円単位で積立投資も可能です。
予め回答した5問程度の質問でリスク許容度を判定し、ETF30から40本でリスク許容度に応じてきめ細かな運用が可能です。
手数料については運用残高に応じて段階的に引き下げる手数料形態を導入しており、0.65%~1%で運用可能です。10万円以上で開始すると0.9%の手数料で運用可能で、ロボアドの中では手数料を抑えて運用できると言えます。
また、運用に応じて毎月ドコモのdポイントが付与されるのも大きな特徴です。100万円を1年間運用した場合、年間で付与されるポイント数は1800ポイントになります!
FOLIO ROBO PRO
FOLIO ROBO PROは、テーマ投資を提供しているFOLIOが金融機関向けに人工知能(AI)技術を提供しているAlpacaJapanと共同開発をして提供しているロボアドです。
高度な人工知能(AI)技術を活用することで、40種類以上の市場データを活用し、市場動向を先読みすることで、数年という短期間でも利益追求ができるとともに、市場の急変による損失を軽減することが期待できる新たなロボアドです。
運用は他のロボアドと同様に株式や債券価格に連動する上場投資信託(ETF)活用し約8銘柄で運用を行います。初期投資額は10万円からで、運用手数料は年率1%(税抜)で運用することができます。一方で、積立投資には対応していませんので、ご自身で追加投資が必要になります。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。