中国株式市場は大きく分けて中国本土市場(上海証券取引所と深圳証券取引所)と香港市場(香港証券取引所)に分けられます。今回は、似て異なる中国本土市場と香港市場の違いを解説します。
中国株式市場の概要
中国株式市場は、大きく分けて上海証券取引所と深圳証券取引所の2つの証券取引所で構成される「中国本土市場」と、香港証券取引所で構成される「香港市場」に分けられます。
上海証券取引所 | 深圳証券取引所 | ||
A株 | B株 | A株 | B株 |
人民元 | 米ドル | 人民元 | 香港ドル |
中国本土市場は、上海証券取引所と深圳証券取引所ともに、A株とB株に市場が更に分けられ、株式の発行が人民元建ての場合はA株市場に、米ドルもしくは香港ドルで発行される場合はB株市場に上場します。上海証券取引所B株の場合は米ドル建ての発行が可能となり、深圳証券取引所の場合は香港に地理的に近いこともありB株は香港ドル建てで発行されています。
メインボード | GEM | ||
香港H株 | レッドチップ | その他 | |
中国本土企業 | 中国企業香港法人 | 現地企業 | 新興企業 |
香港市場は、香港証券取引所に上場している銘柄で構成され、東京証券取引所の東証1部に近い「メインボード」と、新興企業を中心に上場している「GEM」に別れます。
メインボードは、さらに3つにわけられ、中国本土企業は「香港H株」、中国企業香港法人は「レッドチップ」、香港を拠点としている企業は「その他」に分けられます。
香港市場は中国本土と海外の橋渡し役として機能している
香港HSBC旺角支店前の様子と電光掲示板に表示される株価推移(筆者撮影)
香港証券取引所は、日本国内でもサクソバンク証券の他、SBI証券やマネックス証券、楽天証券
のネット証券を利用して売買が可能ですが、中国本土と海外の証券取引の橋渡し役として機能をしています。
香港は、1842年のアヘン戦争を機に南京条約によって英国の領土となり英国の管轄下に置かれた上で中国本土と別に国家運営が行われていました。その後、1997年7月に中国に返還されましたが、これまで中国本土の国家制度と英国の国家制度を適用していた香港で違いがあったこともあり、資本主義社会として自由を許容した上で、経済的に中国本土と海外の仲介市場とすべく「香港特別行政区」として設立を行い、現在に至っています。
そのため、証券取引においても、中国本土と海外市場を仲介すべく、海外から資金調達を行いたい、中国本土企業は、香港証券取引所に上場することになります。
中国本土市場は国内を中心とした資金調達を対象だが近年は外国からの投資も増加

中国深圳駅前の様子(筆者撮影)
上海証券取引所と深圳証券取引所の2つの証券取引所から構成される中国本土市場は、主に中国国内を対象に資金調達を行う証券取引所として設立されています。
中国本土市場は、1990年に上海証券取引所と深圳証券取引所が事業を開始し、前述したとおり、上海証券取引所は人民元建てのA株と米ドル建てのB株、深圳証券取引所は人民元建てのA株と香港ドル建てのB株に分けられ、中国国内の投資家向けにA株、外国人投資家向けにB株として開放しますが、当初は市場参加者を限定していました。
その後、2001年にB株においても中国国内の投資家の売買が認められたほか、B株においてもより多くの外国人投資家の売買が認められる様になります。
現在、中国政府はこれまで外国との橋渡し役を香港にまかせていましたが、長期化するデモの影響などから金融都市としての機能低下が危ぶまれています。本土においても経済成長が更に加速していることもあり、深圳のテコ入れを急ぎ、ハイテク都市に加え、金融都市として発展させるべく投資を加速させており、中国株に投資する上でも大きく期待ができる市場であると言えます。
サクソバンク証券では香港市場の他、中国市場に上場している銘柄を取り扱い
出典:サクソバンク証券
香港市場と中国本土市場では、もともとは海外投資と国内投資で棲み分けが行われていましたが、中国本土市場においても、外国からの投資も認められるなど、近年では香港市場と中国本土市場に棲み分けも薄れつつあります。今後は中国企業も事業成長に伴い、世界的に知名度を向上に伴い、更なる外国からの投資資金が増えることも期待されます。
国内からであれば、香港証券取引所に上場している銘柄を取り扱っている証券会社は多いですが、今後の投資資金の増加が期待される上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している銘柄は、サクソバンク証券で取り扱っています。特に、政府主導でさらなる成長が期待できる深圳証券取引所に上場している銘柄を取り扱っているのはサクソバンク証券のみです。
サクソバンク証券 | 楽天証券 |
SBI証券 |
マネックス証券 | |
手数料 | 0.25% | 0.5% | 0.26% | 0.25% |
上海証券取引所 | 161銘柄 | 235銘柄 | 取扱なし | 取扱なし |
深圳証券取引所 | 97銘柄 | 取扱なし | 取扱なし | 取扱なし |
香港証券取引所 | 1733銘柄 | 719銘柄 | 1500銘柄 | 2058銘柄 |
サクソバンク証券は、上海証券取引所に上場している銘柄が161銘柄、深圳証券取引所に上場している銘柄が97銘柄、香港証券取引所に上場している銘柄が1733銘柄と、合計で2400銘柄以上取り扱っています。また、手数料は香港証券取引所上場銘柄は約定代金に対して0.25%、上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している銘柄は0.15%に設定されており、ネット証券の中でも最安値を実現しています。
サクソバンク証券に関する詳しい内容もしくは口座開設については、以下の記事、公式サイトよりご覧いただければ幸いです。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。
サクソバンク証券

サクソバンク証券はデンマークを拠点に展開している投資銀行「サクソバンク」傘下の証券会社で、米国株が約6,000銘柄、欧州株が約2,400銘柄、中国本土と香港株合わせて約2,400銘柄と、ネット証券の中で米国株の取り扱いが豊富でかつ、国内の証券会社では取り扱いが少ない欧州株の取り扱いがあるのも特徴です。
売買手数料も米国株であれば約定代金の0.20%で最低手数料が5米ドル、上限が15米ドルと米国株を中心に取引を行う方であれば、大きくコストを抑えることが可能です。欧州株の売買手数料は約定代金の0.50%とこちらも低コストで売買可能となっています。
マネックス証券

マネックス証券は、米国株約3000銘柄を扱っており、ネット証券の中では最多となっています。成長が著しいAppleやMicrosoftなども1株から購入可能で手数料も最低0ドルから最大20ドルと気軽に米国市場へ投資が可能です。
少額投資非課税制度(NISA)でも米国株の購入が可能で、NISA口座であれば買付手数料が無料となります!
SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/
ネット証券で口座開設数が430口座突破したSBI証券でも米国株を取り扱っています。取扱銘柄数は1000銘柄以上で、こちらも手数料は最低0ドルから最高20ドルで購入可能です。また、上場とし信託(ETF)をNISA口座を利用すれば買付手数料が無料となります。
SBIグループの住信SBIネット銀行の口座を持っていれば、日本円から米ドルに為替手数料が片道たったの4銭で利用できる他、外貨入出金サービスを利用することで同行の外貨預金口座から即時外貨を証券口座に無料で振替できます!
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/
楽天証券では約1000銘柄以上の米国株を取り扱っています。同社でも手数料は最低0ドルから最高20ドルで購入可能です。また、こちらもNISA口座での米国株の購入も可能で、上場投資信託(ETF)の場合、買付手数料が後日キャッシュバックされますので実質手数料は無料となります。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。