株式投資では売却益の他、配当金の受領による利益獲得の方法があります。日本円以外の収入源を確保できるなど通貨分散も可能になります。今回は、欧州株における配当金の支払い時期と回数、利回りを調べてみましたので紹介します。
欧州株式市場の概要
欧州株式市場は、世界の株式市場においても米国についで売買規模がある株式市場で、英国のロンドン証券取引所、ドイツのフランクフルト証券取引所、フランスのユーロネクスト・パリを中心に売買が行われています。
FTSE100指数の値動き
欧州市場を知る株式指数としては、ロンドン証券取引所の売買上位100銘柄の値動きを示した「FTSE100」、ドイツの「ドイツ株価指数(DAX指数)」、フランスの「CAC40」があります。
欧州においても、世界的に事業展開をしている企業も多く、日本のみならず世界的に知名度が高い企業が上場しています。
米国市場は情報技術などIT技術を活用した最先端な事業を展開している企業も多いですが、欧州企業の場合は長年事業展開をしてきた伝統的な企業も多く、配当利回りが高い企業も多いほか、長年に渡って増配を継続している企業も多くあります。
欧州企業は銘柄によって配当支払い時期と回数が異なる

欧州企業の配当支払いについては、企業によってその時期と回数は異なります。日本企業の場合は、中間と期末の年間2回配当金を支払います。一方で、米国企業の場合は四半期毎に配当金を支払う企業も多く、年間で4回の配当金を受け取ることができます。
欧州企業は、少なくても期末に1回、中間と期末の2回、四半期毎の企業に別れます。傾向を見ると、ドイツ企業は期末1回が多く、英国企業は4回が多い傾向にあります。
支払回数 | 主な銘柄 |
1回 | ダノン(BN.PA)、SAP(SAP.F)、ノバルティス(NOVN.SW)、ネスレ(NESN.SW)、BMW(BMW.F)、ドイツテレコム(DTE.F)、カルフール(CA.PA) |
2回 | ボーダフォン・グループ(VOD.L)、バークレイズ(BARC.L)、オレンジ(ORA.PA)LVMH(MC.PA) |
4回 | ユニリーバ(ULVR.L)、BP(BP.L)、HSBC(HSBC.L)、グラクソ・スミスクライン(GSK.L) |
2020年5月時点の情報を元に作成
例えば、ロンドン証券取引所に上場している日用品大手のユニリーバ(ULVR.L)は、2月と4月(5月)、8月、11月に四半期毎の配当金支払いを行っています。もともと同社は年間2回配当金を支払っていましたが、2009年より年間4回支払っています。
英国の世界通信大手のボーダフォングループ(VOD.L)は、11月と6月の年間2回配当を支払っています。一方で、国内でも食料品店で見かけるヨーグルトで有名なフランスのダノン(BN.PA)は、毎年5月に年1回配当を実施となっています。ただし、同社は過去30年間連続して増配を行っています。
欧州株の配当利回りは3%~4%前後
銘柄によって配当の支払時期と回数は異なりますが、日本株と比較して欧州株の魅力としては配当利回りが高い点にあります。
日本株の場合、2020年5月時点において2%前後であるの対し、欧州株は3%前後と配当利回りは高めとなります。また、日本株とは異なり、昔から毎年増配を行っている企業も多く、配当による固定収入を確保する手段として欧州株を活用することもできます。
配当利回り | 主な銘柄 |
15%~10% | ボーダフォン・グループ(VOD.L):13% BP(BP.L):12% ルノー(RNO.PA):15% |
9%~5% | ダイムラー(DAI.F):8.7% ルフトハンザドイツ航空(LHA.F):8% オレンジ(ORA.PA):6% BMW(BMW.F):6% HSBC(HSBC.L):5% グラクソ・スミスクライン(GSK.L):4.8% |
4%~3% | ミシュラン(ML.PA):4% ドイツテレコム(DTE.F):4% ユニリーバ(ULVR.L):4% ノバルティス(NOVN.SW):3.5% ダノン(BN.PA):3% カルフール(CA.PA):3% バークレイズ(BARC.L):2.4% |
2%~1% | ネスレ(NESN.SW):2.37% スパイレント(SPT.L):2% LVMH(MC.PA):1.6% SAP(SAP.F):1.28% STMicroelectronics(STM.PA):1% |
2020年5月時点の情報を元に作成
個別銘柄毎に見てみると、配当利回りが高いのは、ボーダフォン・グループ(VOD.L)で約13%、続いて、ルフトハンザドイツ航空(LHA.F)の約8%、英HSBC(HSBA.L)が約5%、ユニリーバ(ULVR.L)が約4%、ダノン(BN.PA)が約3%、ソフトウェアのSAP(SAP.F)が1.4%となっています。
欧州株への投資はサクソバンク証券がおすすめ!

欧州株は銘柄によって配当の支払時期と回数は異なりますが、配当金利回りが高い銘柄も多く、投資先地域の分散の他、日本円以外の収入の確保によるリスク分散に活用できます。
ロンドン証券取引所 | フランクフルト証券取引所 | ユーロネクスト・パリ | |
銘柄数 | 約1000銘柄 | 600銘柄 | 800銘柄 |
手数料 | 0.5%(最低8ポンド) | 0.5%(最低12ユーロ) | 0.5%(最低12ユーロ) |
一方で、欧州株は国内で取り扱いの証券会社が少ない中、インターネット証券で唯一取り扱っている証券会社として「サクソバンク証券」となります。同社はデンマークの投資銀行サクソバンク傘下の証券会社で、日本国内で外国株を中心に事業展開を行っています。
同社は、欧州株としてロンドン証券取引所上場銘柄を約1,000銘柄、フランクフルト証券取引所上場銘柄が約600銘柄、ユーロネクスト・パリ上場銘柄が約800銘柄取り扱っており、合計で約2400銘柄以上の取り扱いがあります。
また、売買手数料は約定代金に対して0.5%に設定されており、ロンドン証券取引所上場銘柄は最低8ポンド、フランクフルト証券取引所とユーロネクスト・パリ上場銘柄の場合は最低手数料は12ユーロに設定しています。
サクソバンク証券の詳細と口座開設については、以下公式サイトをご覧ください。口座開設は無料で個人番号カードがあれば迅速に手続きができます。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。
サクソバンク証券

サクソバンク証券はデンマークを拠点に展開している投資銀行「サクソバンク」傘下の証券会社で、米国株が約6,000銘柄、欧州株が約2,400銘柄、中国本土と香港株合わせて約2,400銘柄と、ネット証券の中で米国株の取り扱いが豊富でかつ、国内の証券会社では取り扱いが少ない欧州株の取り扱いがあるのも特徴です。
売買手数料も米国株であれば約定代金の0.20%で最低手数料が5米ドル、上限が15米ドルと米国株を中心に取引を行う方であれば、大きくコストを抑えることが可能です。欧州株の売買手数料は約定代金の0.50%とこちらも低コストで売買可能となっています。
マネックス証券

マネックス証券は、米国株約3000銘柄を扱っており、ネット証券の中では最多となっています。成長が著しいAppleやMicrosoftなども1株から購入可能で手数料も最低0ドルから最大20ドルと気軽に米国市場へ投資が可能です。
少額投資非課税制度(NISA)でも米国株の購入が可能で、NISA口座であれば買付手数料が無料となります!
SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/
ネット証券で口座開設数が430口座突破したSBI証券でも米国株を取り扱っています。取扱銘柄数は1000銘柄以上で、こちらも手数料は最低0ドルから最高20ドルで購入可能です。また、上場とし信託(ETF)をNISA口座を利用すれば買付手数料が無料となります。
SBIグループの住信SBIネット銀行の口座を持っていれば、日本円から米ドルに為替手数料が片道たったの4銭で利用できる他、外貨入出金サービスを利用することで同行の外貨預金口座から即時外貨を証券口座に無料で振替できます!
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/
楽天証券では約1000銘柄以上の米国株を取り扱っています。同社でも手数料は最低0ドルから最高20ドルで購入可能です。また、こちらもNISA口座での米国株の購入も可能で、上場投資信託(ETF)の場合、買付手数料が後日キャッシュバックされますので実質手数料は無料となります。

通信関連の技術者として働いていましたが、その傍ら、株式投資を10年以上行ってきました。現在は、仕事で得たITの知識を生かしてインターネットを中心とした情報媒体の運営やサイト制作などを行っています。現在FPの資格取得を目指して勉強中。