日本株は何故上昇しないか?その理由と投資する上での対策

株式投資では株価の上昇に期待して投資しますが、日本株は上昇が鈍くなかなか株価が上がらないとお悩みの方も多いのも事実です。今回は、日本株の上昇が鈍い理由と投資する上での対策を考えてみました。

日本株と米国株の上昇率の比較

1990年からのS&P500(赤)と東証株価指数(TOPIX)(青)の株価推移比較

株式投資では株価の値上がりと配当金の受領で利益を得ることですが、一番多くの方が意識していることは株価の値上がりです。一方で、日本株に投資しているが、なかなか思うように上昇しない、上昇しても直ぐに下落してしまう、下がったままもとに戻らないなど悩みの方も多いものです。

実際に日本株と米国株の上昇率を調べてみました。東京証券取引所の全銘柄を組み入れた株価指数「東証株価指数(TOPIX)」と、米国の代表的な株価指数「S&P500」における1990年から30年間の年間平均上昇率を調べてみると、東証株価指数(TOPIX)は約1%なのに対し、米国のS&P500は約9%となっています。

日本の株価指数として日経平均株価と並んで「東証株価指数(TOPIX)」が参考にされます。一方で、日経平均株価とは組み入れられている銘柄数や算出方...
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30年間において、東証株価指数(TOPIX)の年間回数は上昇が15回で下落が15回S&P500は上昇が21回、下落が9回という結果となっており、日本株の上昇割合は半分、米国が7割の割合という結果となっています。

これまでの結果からみて、日本株は上昇が鈍いのも事実であることが伺えます。

日本株は7割が外国人投資家によって売買されている

日本株の7割が外国人投資家によって売買が行われています。そのため、日本株の動向は外国人投資家に動向に大きく左右されやすいと言えます。一方で、個人が売買している割合としては約2割となっており、個人の動向はさほど大きく影響は少ないといえます。

日本の株式市場は外国人投資家が約7割と市場における影響力は高いものがあります。個別銘柄において外国人投資家の比率が多いものも散見されますが、外国...

そのため、外国人投資家の多くが日本株を買いに動けば株は上昇し、売りに動けば株が下落しやすいと言えます。日本株は後述していますが、景気の動向に左右されやすい特徴があることから、外国人投資家は日本企業の業績が悪化すると判断した場合、投資資金を引き上げてしまうことから、景気悪化の予兆がある場合、しばらくは株が上昇しづらい傾向となります。

今後の課題としては、外国人投資家依存を脱却して、個人や国内の機関投資家も積極的に参入して、長期で株を保有する人を増やすことが急務となりそうです。



配当金の減配なども多く株主還元に非積極的である

日本企業は、米国企業とは異なり株主への利益還元が積極的に行われていないことも株価が長期的に上昇しない要因とも言えます。

日本企業の場合、業績が悪化した場合、内部留保が優先となり、株主還元が後回しになる傾向もあります。また、日本企業は終身雇用という制度を採用していることから業績悪化時でも従業員の解雇などがしづらいこともあり、最終的に減配せざる得ない状況になる要因もあります。

また、日本企業は株主は単なる資金提供者としか考えていないケースもあり、積極的な利益還元が疎かになっている企業も多いのも事実です。株主から預かって資金でどれだけ効率的に稼いでいるかを知る指標である「自己資本利益率(ROE)」は日本企業は8%台と米国に比べて低いこともその事実を示していると言えます。

株式投資を行うに当たり、しっかりと稼ぎを得ている企業に投資することが重要ですが、それを判断できる指数として「自己資本利益率(ROE)」があります...

そのため、業績悪化時当然の顔をして減配を行なうなど、投資家が安心して長期的に株を保有しづらいのも事実です。



業績が景気の動向に左右されやすい産業構造である

日本企業は製造業など為替や景気の動向に業績が大きく左右されやすい特徴があります。そのため、景気が良いと好業績と出しますが、景気が悪化すると業績も悪くなります。

そのため、景気の動向に株価が左右されやすくなります。景気が良いときは業績期待で株価が上昇するものの、悪化の予兆がでると株価が下落しやすくなり、結果として長期的に持っていてもあまり株が上がらないという結果に繋がります。

また、日本企業では製造業などを中心に事業を行なうのに多くの費用も発生することもあり、利益率が低いのも要因としてあります

今後、日本企業は、IT技術などを積極活用するなどで無駄な経費を削減し、作って売るだけではなくサービスなど定期的な収入が得られる仕組みを作り景気動向影響を最小限にするなど、企業体質を変えていく必要があると言えます。

企業統治での懸念も多く長期的に株を保有しづらい

日本企業は企業統治(コーポレート・ガバナンス)上の懸念も多く、長期的に株が保有しづらいのも要因としてあります。

企業統治は、極端な不祥事という側面より、政策保有株の削減や独立性のある社外取締役の専任、親子上場の解消といったことがあげられます。

政策保有株により経営監視機能の低下、社外取締役の専任も取引銀行や大株主から専任するケースで独立性が維持されていない、親子上場で少数株主の利益が損なわれるなど、多くの日本の上場企業において、未だに散見されています。

近年、日本の株式市場において政策保有株式を削減する動きが目立ちつつあります。また関連して、政策保有株式は問題があるという報道も多く目にします。今...

アベノミクスで企業統治は改善されつつありますが、今後の日本株の動向を占う材料としては、各企業が企業統治を積極的に改善していくかにかかっていると言えます。

日本だけではなく外国株への分散も有効

日本株に投資する場合、外国人の動向や景気動向などに影響されるほか、株主還元や企業統治といった課題を抱えておりそれらを意識した上で、厳選に投資する銘柄を選ぶ必要があります。

ただし、日本株だけの投資であればリスクも大きくなることに加え、投資実績を上げるのは難しい場合もあります。そこで、外国株への分散投資を行なうことをおすすめします。

前述しましたが、米国のS&P500は、日本株に比べて上昇率が高いことから、日本株が横ばいな状況が続いても、米国株の上昇の恩恵を受けることができます。

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