中国株の港股通・滬港通・深港通とは何か?3つの制度概要を解説

香港と中国本土(上海・深圳)取引所は、それぞれ独自に運営が行われており、相互的な取引が難しい状況が続いていました。近年ではこの状況を解決すべく、相互取引が可能となる制度が登場しています。今回は港股通・滬港通・深港通について解説します。

中国株式市場の概要

中国株式市場は、香港証券取引所を中心に、中国本土には上海証券取引所と深圳証券取引所の3つの市場で売買が行われています。

香港証券取引所は、香港市場として中国本土とは別市場として、外国市場と中国市場の橋渡しとしての機能を果たしています。そのため、外国から資金調達を行いたい中国企業は香港証券取引所で上場を選択する企業が多いです。

メインボード GEM
香港H株 レッドチップ その他
中国本土企業 中国企業香港法人 現地企業 新興企業

香港証券取引所は、メインボードとGEMに分けられ、メインボードは中国本土企業の「香港H株」、中国企業香港法人の「レッドチップ」、現地企業の3構成となります。GEMは新興企業が上場しています。

上海証券取引所 深圳証券取引所
A株 B株 A株 B株
人民元 米ドル 人民元 香港ドル

中国本土の上海証券取引所と深圳証券取引所は、中国国内の投資家を中心に資金調達を行なう場として役割を果たしており、近年では一部を外国人投資家向けに市場を開放しています。上海と深圳ともにA株とB株の2構成となっており、A株を中国国内、B株を外国人向けとし、上海では米ドル、深圳では香港ドル建てで発行されています。

しかしながら、現状として中国国内の投資家は、香港市場に直接投資することが難しく、その逆も同様となっています。それを解消すべく、一部の投資家に限定して、中国本土から香港市場に投資できる制度として「港股通」、香港から上海市場に投資する制度として「港股通」を2014年11月より開始、さらに、香港から深圳に投資する制度「深港通」を2016年8月より開始しています。

中国株式市場は大きく分けて中国本土市場(上海証券取引所と深圳証券取引所)と香港市場(香港証券取引所)に分けられます。今回は、似て異なる中国本土市...

港股通は上海・深圳から香港市場に投資できる制度

港股通(こうこつう)は、上海市場から香港株の売買が可能になる制度です。

ただし、港股通を利用すれば香港証券取引所に上場しているどの株に投資できるわけではありません。また、利用できる投資家も制限されているのが現状です。

港股通概要
接続先 上海市場→香港市場
投資限度額 840億元
投資対象銘柄数 約400銘柄
投資家制限 中国国内機関投資家及び証券口座残高50万元以上の個人投資家

1日あたりの投資限度額は840億元となり、投資対象銘柄は「ハンセン総合大型株指数」、「ハンセン総合中型株指数」、「ハンセン総合小型株指数」に組み入れられている銘柄です。また、香港市場と上海市場に重複上場している場合は、香港市場に上場している銘柄が対象となります。2020年9月時点では約400銘柄が対象となっています。

一方で、近年、米国市場に上場していた中国のIT関連を中心に香港に重複上場する動きが目立ちますが、香港に重複上場している銘柄は、これらの指数に組み入れられておらず、現状として中国本土の投資家が、香港重複上場している中国IT株に投資することはできません。ただし、今後は改定が行われ中国本土からでも投資が可能になる日も近いといえます。

港股通を利用できるのは、中国国内の機関投資家の他、証券口座残高が50万元(約750万円)以上の個人投資家に限られており、中国国内の人がだれもが取引できるわけではありません。

滬港通は香港市場を通じて上海A株に投資できる制度

滬港通(日:ここうつう、英:Shanghai-Hong Kong Stock Connect)は、香港市場から上海A株に投資できる制度です。前述したとおり、上海市場はA株とB株で構成されており、A株は中国国内の投資家を対象に人民元建て取引が行われています。

滬港通を利用することで、これまで外国人投資家が投資できなかった、上海A株に投資することができるようになりました。そのため、日本国内でも、証券会社が許可することで、滬港通を通じて上海A株に投資が可能になります。

滬港通概要
接続先 香港市場→上海A株
投資限度額 520億元
投資対象銘柄数 約550銘柄
投資家制限 制限なし

滬港通の1日あたりの投資限度額は520億元であり、投資対象銘柄は上海180指数、上海380指数に組み入れられている銘柄、香港と上海重複上場の場合は、上海A株に上場している銘柄が対象となります。2020年9月時点で約550銘柄が対象となります。

滬港通を利用する場合は、投資家の制限は定められておらず、香港在住者だけではなく、外国人投資家も投資が可能となります。

ただし、上海A株は外国人投資家の保有比率の制限が定められています。A株の保有比率は発行済株式総数の30%に定められており、保有比率が28%に達した場合は、新規買い付けができなくなります。



深港通は香港市場を通じて深圳A株に投資できる制度

深港通(日:しんこうつう、英:Shenzhen-Hong Kong Stock Connect)香港市場を通じて深圳A株に投資できる制度です。

深圳市場についても、A株は中国国内向けに人民元建てで発行された市場ですが、深港通を利用することで、これまで外国人投資家による投資が難しかった深圳A株を香港市場を通じて取引が可能になります。

深港通概要
接続先 香港市場→深圳A株
投資限度額 520億元
投資対象銘柄数 約800銘柄
投資家制限 制限なし

深港通の1日あたりの投資上限額は520億元となります。投資対象銘柄としては深圳成分指数、深圳中小創新指数、香港市場と深圳市場に重複している銘柄の内、深圳市場に上場している銘柄が対象となります。2020年9月時点で約800銘柄が投資可能です。

深港通は、投資家の制限はありませんが、深圳創業版に上場している銘柄については、機関投資家のみが投資可能となっています。また、深圳A株についても外国人による保有比率30%以上を超えて投資ができないようになっています。



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上海証券取引所 161銘柄 235銘柄 取扱なし 取扱なし
深圳証券取引所 97銘柄 取扱なし 取扱なし 取扱なし
香港証券取引所 1733銘柄 719銘柄 1500銘柄 2058銘柄

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