ウクライナ侵攻におけるロシアへの経済制裁による欧州株式市場への影響とは?

ロシアがウクライナに侵攻し、米国や欧州を中心にロシアに制裁を与える動きが相次いでいます。一方で、欧州はロシアから天然ガスの供給を依存しており、今回のロシア制裁は欧州経済にとっても大きな打撃があるだけに、今後の欧州株式市場への影響も気になります。今回はロシア制裁による欧州株式市場への影響について考えてみます。

ウクライナ侵攻により西側諸国がロシア制裁を強化

ロシアがウクライナに侵攻したことで、西側諸国を中心に世界的にロシア制裁に動き出しています。今回の侵攻はこれまで懸念していた事項ではありましたが、2022年の北京冬季五輪を終え、即時プーチン大統領が指示を出したことにより、これまで懸念が現実となりました。

プーチン大統領の独断による侵攻により西側諸国を中心に経済制裁を発動する動きが加速しており、もっとも重い措置である、銀行間決済取引網であるSWIFTからロシア銀行の締め出すことで、ロシア経済を疲弊させ、ウクライナ侵攻の食い止めに近づけるという狙いがあります。

また、民間企業でもロシアとの取引を停止する、サービス展開を中止する動きが相次いでおり、Apple(AAPL)は現地での同社製品の販売一時見送りの他、モバイル決済であるApplePayのサービス停止を行っています。また、電子決済のVISA(V)やMasterCard(MA)も現地でのサービスを停止し、現在ロシア国内で決済が不能となっています。

一方で、ロシア制裁が強化されると、ロシアへの依存度が高い欧州経済への影響も大きいのも事実です。



欧州はロシア産の天然ガスや原油によるエネルギー調達の割合が高い

2021年度の欧州天然ガス輸入元の割合(出典:欧州統計)

今回のロシア制裁により欧州経済への影響が懸念されている要因として、欧州はロシア産の天然ガスや原油などエネルギーの受給をロシアに依存していることにあります。

欧州全体では、ロシアからの天然ガスの輸入割合は約5割となっており、その中でもドイツはほぼ半数以上をロシアからの輸入に頼っている現状があります。

一方で、英国やフランスでは、ロシアからの天然ガスの輸入割合はさほど大きくなく、両国ともにロシアからの輸入割合は1割程度となっています。



エネルギー価格の上昇による消費活動の冷え込み懸念

エネルギー価格は、新型コロナウイルスによる感染症拡大からの経済回復で、原油価格を筆頭にエネルギー価格が上昇している状況では有りましたが、今回のロシアがウクライナに侵攻し、ロシアからの天然ガスや原油の受給が受けられなくなると、原油価格の上昇を更に助長させる事態となっています。

ニューヨーク原油価格推移

直近の原油価格の推移を見てみると、ニューヨーク原油価格は2008年の金融危機以来の高値水準となっており、1バレル115ドル前後で推移しています。

前章で消化したとおり、欧州では約4割をロシアからの天然ガスを輸入して使用しているわけですが、ロシアからの輸入が難しくなることで、他の地域からの輸入が必要となり、エネルギー価格が上昇することで、一般の方が消費活動や事業活動で使用する調達価格が上昇となることで、消費活動の落ち込みにつながることになります。

日常生活でもエネルギー価格が上昇することで、不要不急の買い物を控える、自動車などの外出を減らすことで無駄なエネルギーの消費を抑えるといった動きが今後加速してくことが予想されます。

また、旅行についても欧州航空会社各社はロシア上空を通れなくなることに加え、原油価格の上昇で航空運賃の値上げにより、感染症拡大後に期待されていた旅行需要の回復も遅れることが考えられます。



ロシアへの経済制裁で欧州株式市場も大幅下落

実際に、ロシアがウクライナに侵攻し、ロシアへの経済制裁が強化されると欧州株も大きく下落しています。

ドイツ株価指数(DAX指数)の推移

特に、ロシアへの天然ガス輸入の依存度が高いドイツの株価指数であるDAX指数は今年に入ってからの最高値より20%程度下落しています。英国のFTSE指数は9%の下落、フランスのCAC100指数は17%程度の下落となっています。

一方で、米国のダウ工業株30種平均株価は9%の下落、日本の日経平均株価は約12%の下落となっており、欧州株の下落幅の大きさが顕著に目立っていることがわかります。



欧州株ではエネルギー関連はやや堅調予想も消費関連や金融は弱気と判断

過去10年間の英石油大手BP(BP.L)の株価推移

「銃声がなったら買え」という相場格言がありますが、ウクライナ侵攻で一時的に株価は買われる動きをしており、その後は原子力発電所の攻撃など目先の動向で株価は大きく動く展開が見えていますが、ある程度の下げ止まり感は出てきています。

今後も不安定な状況が続くことが予想されますが、前述したとおり消費の冷え込みなどを懸念し、消費関連や金融については「弱気」とし、欧州市場で多いエネルギー関連については「やや強気」と判断するもある程度価格が織り込まれているものと思われます。

一方で、欧州市場では少ないですが、情報通信や半導体などハイテク株については「中立」とし、すぐの回復は見込まれないものの、仕込み時の好機であると判断しています。



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